2007年06月29日

福知山線脱線事故調の最終報告は的外れ

 6月29日の朝刊は、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会がまとめた最終報告書を大きく報じていて、例えば読売新聞には「懲罰教育重圧制動遅れ」という活字が並んでいます。論調としては「事故原因について、企業体質の問題に踏み込むのはきわめて異例」と、どちらかというと誉めてはいるものの、私には釈然としないものがあります。

 それは、どうしてJR西日本が懲罰教育を実施する様な企業なのかということです。
 すなわち、こんな大事故を起こす可能性がある人物を運転士で使い続けた、否、使い続けざるを得なかった企業の体質についてです。

 事故直後からの報道では、この運転士は過去に車掌時代を含めてミスが多かったと指摘していた記憶があります。一方、所属した列車区の区長?は「彼は優秀だった」と述べていました。

 この間の認識の差異が大きな問題だと思うのです。
 私の全くの想像であることは言を待ちませんが、運転士の技量などを評価するのは区長の下にいる班長、あるいは助役と呼ばれる職位の人間のはずです。偉い区長ではありません。実際に運転士の横で指導した彼らの判断が反映されなかったことこそ、大問題です。
 生身の人物を評価できないからペーパー試験だけで登用し、また日頃のミスをOJT的に指導できないから日勤教育に走らざるを得なかったのだと思うのです。
 さらにその根本的原因は、多分、労使関係。

 または、役人でいうところのキャリアとノンキャリアの関係。

 さらに、人事部の度を超した権限辺りにあるはずで、それを白日の下に引っ張り出して是正するのは、経営トップだけができる大仕事です。信楽高原鉄道事故も根底に存在する原因は同じでしょう。利益至上は企業として当然の旗印だし、最新式ATSの設置が遅れたなどということは、全くの枝葉です。

 しかし根幹的なものは部外者には判りにくく、また糾弾することも不可能です。JR西という会社を批判したところで何も変わりません。今の社長に「判れ」と言ったところで、この辺りの認識がなければ無理な話で、かといって、社長以外には責任と権限を持つ実態がないのです。

 解決策は、ただひたすら、カリスマ的なリーダーが現れるのを待つしかないでしょう。
 すなわち、企業は人なりです。不思議なのは、マスコミがいつも、そこに踏み込まないことで、言及してくれさえすれば、少しは救世主出現に近づくと思うのですが……。事故調の構成メンバーに会社経営の経験者が必要なのでしょうね。
posted by ワークスK at 22:58| Comment(0) | 読みもん | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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